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同時通訳を支える『トレンド日米表現辞典』最前線からのレポート


● 放送通訳と会議通訳

新崎さんは現在NHKで放送通訳の仕事をされています。放送通訳とは、その名の通り、外国や日本のテレビニュースを訳す通訳のこと。画面に表示された新崎さんの名前を見覚えのある人もいらっしゃるでしょう。

北京オリンピックのマスコット
通訳席で

放送の内容は多岐にわたるので、新崎さんもいろいろな分野の英語を通訳しなければなりません。最近では2008年のノーベル物理学賞を受賞した南部博士たちのインタビューの通訳をされました。新崎さんに「対称性の破れ」(broken symmetry)の解説をしていただき、内容を理解しないと通訳はできないことを再認識しました。また、難解な物理理論をよどみなく話してくださる新崎さんに感嘆しました。

新崎さんは会議通訳もされています。会議通訳とは、会議で行う同時通訳です。会議通訳でも新崎さんは幅広い分野の英語を通訳されます。「金融とコンピュータ以外の通訳だったら引き受ける」とおっしゃっていました。

お得意な分野の一つが歯科で、膨大な専門語を身に付けていらっしゃいます。歯の名称のようないかにも専門語らしい語のほかに、一般語なのに意外な専門的意味を持った語があります。例えばinvestmentがそうです。「投資」という意味はよく知られていますが、なんとinvestmentは歯科では「埋没」(元々は鋳造用語で、ロウで作った型を耐火材で覆うこと)という意味で使われています。ちなみにこの訳語は『プログレッシブ英和中辞典』(小学館)には載っていません。かなり専門度が高いようです。

見せていただいた資料の中には人文系の会議に関するものもあり、脱構築主義やポストコロニアルなど、現代思想の用語が並んでいました。お話を聞いているだけで頭が単語でいっぱいになります。



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